No.109-1(2000/3/23)

Cross-modal transfer of shape is difficult to demonstrate in one-month-olds.
(形状の様態間転移は1歳児では見られにくい)

Maurer, D., Stager C. L. & Mondloch. J.
Child Development, 1999, 70, 1047-1057.

1ヶ月児による触覚と視覚での様態間転移を、Meltzoff & Borton (1979)が書いた手続きを用いて(ただし左右位置バイアスと刺激偏好の統制を加えて)実験した。実験1(N = 48)で、滑らか/でこぼこの視覚刺激への乳児の注視時間は、その前の90秒間どちらの形状を口に入れたかに影響されなかった。1つの群での最初1試行は例外であったが、この効果は、おそらくわずかな左右位置偏好との交互作用をともなった、限定された様態間転移、第1の過誤、あるいは左右位置バイアスのせいだと考えられた。左右位置偏好を軽減した群(N = 16)においてこの効果が追認されなかった(実験2)ことからも、それは様態間転移ではないと言える。完全にMeltzoff & Bortonの実験の追試である実験3(N = 32)でも、様態間転移の証拠は得られなかった。全体として、1ヶ月児がこのような形状について触覚から視覚へ情報を転移することができるという好適な証拠は得られなかった。今後の実験で他の形状について転移する能力を調べるにあたっては、左右位置バイアスと刺激偏光とを統制すれば解釈しやすくなるだろう。

(石田)