Dolphins (Tursiops truncatus) comprehend the referential character of
the human pointing gesture
(バンドウイルカはヒトの指差しの参照的な性質を理解している)
Heran, L. M., Abichandani, S. L., Elhajj, A. N., Herman, E. Y. K., Sanchez, J. L., & Pack, A. A.
Journal of Comparative Psychology, 1999, 113, 347-364.
筆者は、バンドウイルカ(Tursiops truncatus)が、イルカの左や右や後方に置かれた物体に向けられたヒトの指差しを理解しているか調べた。ヒトは直接的な指差し(Pd)、身体を横切る指差し(Px)、馴染みのある象徴的なジェスチャー(S)によって、物体を参照した。実験1において、イルカは、イルカの両端に置かれた物体に向けられたPdに対して80%正解の反応を示したが、後方に置かれた物体に向けられたPdに対しては、40%しか正解できなかった。後方の物体に対する反応は、実験2において、誇張された指差しを導入したことによって、88%の正解反応を示すことができた。Pxに対する自発的な理解も見られた。実験3では、ヒトはPd、Px、Ssの連続した系列か、あるいは、これら3種類の指示の仕方のうち、2種類を組み合わせたものによって、2番目に参照した物体を、1番目に参照した物体のところに持って行くよう、イルカに指示した。結果は68%から77%の正解(チャンスレベルは17%)であった。これらの結果は、イルカが、ヒトの指差しの参照的な性質を理解していることを立証するものである。