Sequential priming in hierarchically organized figures: Effects
of target level and target resolution
(階層的に組み立てられた図形における継時プライミング:ターゲット刺激の相対的位置付けの効果と絶対的大きさの効果)
Kim, N., Ivry, R. B., & Robertson, L. C.
Jounal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 1999, 25, 715-729.
本実験は、階層的に組み立てられた刺激の中で全体あるいは部分としての位置付け(level)で呈示されたターゲットの文字を、被験者が同定する3つの実験に関する報告である。前の試行と同じ刺激内の位置付けでターゲットが出現すると、反応時間は減少することが報告されている(L. M. Ward, 1982; L.C. Robertson, 1996)。実験1・2では、この継時プライミングの効果が、ターゲットの resolution 、すなわち実際の物理的な大きさにかかわらず、ターゲットの刺激内での位置付けの情報によって生ずるということが示された。ターゲットの相対的位置付けと絶対的大きさによる効果の分離は、例えば、大きい方の刺激の部分的要素が、小さい方の刺激の全体と同じ視角になるようにするなど、刺激の全体の大きさを操作することによっておこなった。しかし、実験3では、ターゲットを妨害刺激から見つけるときに位置付けの情報が絶対的な大きさの情報より役に立たないような状況において、絶対的な大きさが試行間のプライミング効果の決め手になることを示した。考察においては、これらの結果が、部分対全体の処理における注意の役割と関連して述べられる。