Dual Representation and Young Children's
Use of Scale Models.
(二重表象と幼児による縮尺模型の使用)
DeLoache, J. S.
Child Development, 2000, 71, 329-338.
模型、地図、写真といった記号的事物を使用するには二重表象の獲得が必要だ。つまり記号そのものと、それの指示対象への関係との両方を心的に表象する必要がある。本研究は、この考えによる予測を確認するものとなった。仮説の通り、宝探し課題において、隠し場所となる事物の各々の模型を用いた場合でも部屋の全体模型の場合と同じく、2歳半児には二重表象が難しかった。縮尺模型の物理的な目立ち性(physical salience)を減じた(窓の向こう側に置くことによった)場合、2歳半児でもそれを容易に、そのものとしてではない何かの表象として扱うことができた。逆に模型の事物としての目立ち性を高めてやる(3歳児で、子どもにそれをいじらせた)と、その記号的な意味が理解されにくくなった。この結果は二重表象仮説を強く指示するものである。