Spatial learning by rats across visually
disconnected environments.
(視覚的に分離された環境間における、ラットによる空間学習)
Rossier. J, Grobety. M. C, and Schenk. F.
Animal Learning and Behavior, 2000, 28, 16-27.
ラットにおける空間的表象の特性を調べる実験をおこなった。大きな円板上の決められた場所に開けられた穴を通って逃避することを、オトナのラットに訓練した(Schenk, 1989)。実験は暗室でおこなわれ、空間学習に必要な最小限の手がかりを調べるために、統制された視覚的手がかり(光)の数を制限した。形、高さ、テーブルからの距離が同じである、3つの光手がかりをもちいた。条件によって、光手がかりは絶えず点灯している場合と、ラットの位置によって点いたり消えたりする場合があった。今回、2つの問題について調べた。(1)暗室での空間弁別に必要な視覚手がかりの数はいくつか。(2)3つの手がかりすべてを同時に知覚することのできない条件で、それぞれの手がかりの位置を統合することができるのか。結果、場所弁別課題を遂行するのに必要な手がかりの数は3つであり、3つの手がかりは同時に知覚される必要がなかった。ゴールの空間位置の弁別はできるが、ゴールに直線距離で達することができないことから、手がかりの数が減るとともに、正確なオリエンテーションにはロコモーションを長くとる必要があるようだ。