No.152-1(2001/3/15)

Acquired equivalences between auditory stimuli in dolphins (Tursiopus truncatus).
(イルカ(Tursiops truncutus)における聴覚刺激の等価性の獲得)

by von Fersen, L. & Delius, J. D.
2000, Animal Cognition, 3, 79-83.

本研究では、イルカが複数の聴覚刺激間に等価クラスを形成するかどうか調べた。直前に提示された音にしたがって、2つの反応レバーのうちどちらかを押す訓練を、ハンドウイルカが受けた。音は4種類あった。この弁別学習を獲得したあとで、聴覚刺激提示後の選択レバーを反対にし、刺激とレバーの随伴性を変えた逆転学習を繰り返し受けた。ただし、1セッション内では、2つの聴覚刺激からなる1刺激セットが提示された時に強化されるレバーは変わらなかった。十分な訓練を積ませると、刺激セットの内、片方の刺激のみで強化随伴性の変化を経験しただけで、後に提示されるもう片方の刺激への反応をも自発的に変えるようになった。したがって、イルカは、2つの機能的なクラスを持つ2つの刺激セットに含まれる聴覚刺激間に、連合を形成したといえる。以前、視覚刺激を用いた同様の実験で失敗したイルカが、どうして聴覚刺激で上手くいったのか議論した。

(石川)