Perception of partly occluded figures by baboons (Papio papio).
(ギニアヒヒ (Papio papio) による一部を隠蔽された図形の知覚)
Deruelle, C., Barbet, I., Depy, D., & Fagot, J.
Perception, 2000, 29, 1483-1497
これまでの比較研究においては、動物がアモーダルな補間を知覚するかについて相矛盾する結果が提出されてきた。ヒヒが一部を隠蔽された対象を補間して知覚するかどうかを調べるために5つの実験がおこなわれた。最初の3実験では、go/no-go 手続きを用い、刺激はビデオモニタによって呈示した。これらの実験では、アモーダルな補間がおこなわれているという事実は見られず、刺激は3次元物体としてよりもむしろ2次元像として処理されていることが示唆された。これらに対し、ウィスコンシン汎用テスト装置の中において2項目強制選択課題(2AFC)を用いて厚紙にかいた刺激を呈示した実験4では、補間の事実が示された。実験5では、実験4と同じ2AFCの手続きを取ったが、コンピュータの画像システムを用いて刺激を呈示したときには補間は示されなかった。これらの結果から、ヒヒは、アモーダルな補間をおこなう能力をヒトと共有していることが示唆されるが、この能力を引き出すのに影響を与えるであろう手続き的な要因の重要性も示唆している。
(牛谷)