No.198-2(2002/4/4)

How tree shrews (Tupaia belangeri) perform in a searching task: Evidence for strategy use.

(ツパイの探索課題での遂行方法:方略使用の証拠)

Bartolomucci, A., de Biurrun, G., & Fuchs, E.
Journal of Comparative Psychology, 2001, 115, 334-350.

この研究は、どのようにオスのツパイ(Tupaia belangeri)がホームケージ内での探索課題を遂行するかを調べ、その時の餌場の配置が彼らの遂行に影響を与えるかどうかを調べたものであった。動物は、餌場が3×3のマトリックス状か、各クラスターに3ヶ所づつ餌場のある3クラスターに配列された穴開きボードが存在する場面に置かれる。動物は、試行の開始と終了の位置を選好する傾向を示した。課題は最短距離(minimum-distance)の原理に従って食物の収集を方略的に組織化することで解決した。クラスター配置では、彼らは餌場を階層的に訪れた。餌場の配置が遂行に影響することはなかった。マウスとオマキザルのデータと比較すると、ツパイとオマキザルは同じように方略的な方法で課題を解決したが、マウスの方法は異なった。ツパイの系統発生的に霊長類と近縁であると考えられているために、これらの発見は特に注目に値する。

(高橋)