Active versus passive processing of biological motion.
(バイオロジカルモーションの能動処理と受動処理)
Thornton, I. M., Rensink, R. A., & Shiffrar M.
Perception, 2002, 31, 837-853.ヨハンソンのバイオロジカルモーション刺激は、いまだに形の知覚における動きの役割についてのもっとも説得力のある例といえる(Johansson, 1973)。本研究では、このような刺激の処理における注意の役割を調べるために二重課題のパラダイムを用いた。2つの実験において、バイオロジカルモーション刺激の運動方向弁別課題の成績がどのぐらいまで注意に左右されるかについて、顕著な差異のあることがわかった。特に、時間的に(実験1)あるいは空間的に(実験2)トップダウン的な処理に関わると考えられる刺激についての成績は、注意を分割されることによって悪化した。それに対して、低次の、ボトムアップ的な処理がなされるような刺激についての成績は、注意の分割によってほとんど影響を受けなかった。我々は、これらの結果を、Cavanagh (1991) によって導入された、能動的/受動的運動弁別の考えを用いて解釈する。
(牛谷)