Detection of changes in timbre and
harmonicity in complex sounds by Zebra finches (Taeniopygia guttata)
and budgerigars (Melopsittacus undulatus).
(キンカチョウとセキセイインコにおける複合音の調和性・音色の変化の検知)
Lohr, B., & Dooling, R. J. (University of Maryland)
Journal of Comparative Psychology, 1998, 112, 36-47.
キンカチョウ、セキセイインコ、ヒトで、音色と調和性が異なる複雑な倍音構造音の交替の検知閾が測定された。実験で使われた刺激は、自然界のキンカチョウの鳴き声をモデルとしていて、キンカチョウに特別な目立ちやすさを持っていた。3種とも、基音の倍音のうち、ある1倍音の強さの減少に対する検知について同じような能力を示した。しかしキンカチョウとセキセイインコは、570Hzと285Hzの基音が持つ倍音のうち1つの倍音が非調和にされた時、非常に高い感受性を示し、検知閾がヒトよりも低かった。また各倍音構造の相対的な位相をランダムにした時は、ヒトでは検知閾に差が見られなかったが、キンカチョウでは検知閾の上昇が見られた。非調和な音の呈示時間を短くした時には、検知閾の上昇がヒトと2種の鳥ともに見られた。鳥類の非調和さの弁別における全体的な優位性は鳥類と哺乳類で倍音構造音処理に異なったストラテジーを用いていることを示唆する。
(石川)