No.59-1(1999/02/24)

Human flavor-aversion learning: A comparison of traditional aversions and cognitive aversions.
(ヒトの風味嫌悪学習:従来型の嫌悪と認知的嫌悪との比較)

Bastell, Jr., W, R., & Brown, A, S. (Southern Methodist University)
Learning and Motivation, 1998, 29, 383-396.

従来の風味嫌悪学習は、個体がある風味を摂取し、病気に由来する無条件刺激(US)がそれに続くときに形成される。しかし、Rozin(1986)は、嫌悪感を引き起こすUSによって、第2のタイプの味覚嫌悪学習がなされることを紹介した。本研究では、Rozinの提出した嫌悪感のカテゴリーを拡張し、認知過程によって味覚嫌悪が発生する他の状況(負の情報、強制摂取)も含むものにする。大学生に、味覚嫌悪学習の経験について自己申告型の質問紙に答えさせた。その結果、認知的嫌悪は従来型の嫌悪よりも強く、長く続くことが示された。また、認知的嫌悪は、動物起源の物質に多く形成され、嘔吐感がなくとも形成されることが示された。最後に、認知的嫌悪を報告した人物は、従来型の嫌悪を報告した人物よりも、有意に多くの味覚嫌悪を持っていたことも示された。これらの結果は、病気を引き起こすUSが直接なくとも、味覚嫌悪学習は起こりうるというさらなる証拠を提供する。

(粟津)