No.63-2(1999/03/24)

Communication of stimulus size and shape in alarm calls of Gunnison's prairie dogs, Cynomys gunnisoni.
(グニソンプレーリードッグ(Gunnison's Prairie Dog, Cynomys gunnisoni)は警戒音声で刺激のサイズと形についてコミュニケーションをする)

Ackers, S. H., & Slobodchikoff, C. N. (Northern Arizona University)
Ethology, 1999, 105, 149-162.

グニソンプレーリードッグは、地上の捕食者に対して多音節の警戒音声を発し、誘発刺激によってその音響構造が変化する。しかし、警戒音声の変化がどのような捕食者の特徴について明らかにしているのか、あまり判っていない。他の地上性のリスの仲間において、捕食者の行動が警戒音声の作製に影響を与えることが知られている。だが、捕食者の身体的特徴を、リスの警戒音声がどの程度伝えているものなのか、捕食者の行動が与える影響と独立して扱われていなかった。プレーリードッグのコロニーに影絵モデルを提示して発せられる警戒音声を記録し、誘発刺激のサイズと形が与える影響について調べた。スペクトグラムから7つの変数を起こし、これについて判別分析をおこなったところ、影絵モデルによって警戒音声が異なることがわかった。この結果は、刺激のサイズと形についての情報が、プレーリードッグの警戒音声にコード化されていることを示している。

(粟津)