No.78-2(1999/07/15)


Can memory requirements account for species' differences in invisible displacement task?
(必要とされる記憶量で不可視移動課題における種差を説明できるか?)

de Blois,S.T., Novak,M.A., & Bond, M.
Journal of Experimental Psychology : Animal Behavior Processes., 1999, 25, 168-176.

ピアジェの不可視移動課題での成績の悪さは、解くのに必要な記憶量の増大と関連しているという仮説を検証した。アカゲザルとオランウータンに与えられた問題は3種類(不可視、可視、移動なし)であり、それぞれに含まれるステップは標準的な不可視課題と同じ数であった。もし不可視課題を解けないのが、必要とされる記憶量の増大によるものならば3種類の問題いずれについても、被験体の成績はチャンスレベルになるはずである。しかしながら、アカゲザルは可視課題と移動なし課題は解いたが、不可視移動課題は解けなかった。オランウータンの半数は、3種の移動課題すべてを解いたが、不可視課題の成績は他の課題の成績よりも低かった。続いて行った「手がかり」段階では、成績が向上し、数匹のサルは不可視移動課題を解いた。

(桑畑)