No.87-1(1999/09/30)

Use of public information when foraging : Effects of time available to sample foods.
(採食時の公共情報の使用:食物を味見できる時間の効果)

Galef,B,G,Jr., a & Whiskin, E,E.
Animal Cognition, 1999, 2, 103-107.

動物は、資源を試してみることのできる時間が減るほど、社会的に得た情報をより多く使用するのではないか、という提案がなされてきた。我々は、ドブネズミの「観察者」に、4種の食物を味見する時間を、一日当たり2時間または5時間与えた。3種は、比較的味がよいがタンパク質に欠け、もう一種は、味が悪いがタンパク質に富む食物である。その結果、一日2時間の味見をし、タンパク質の豊かな食物だけを摂取した提示者との接触もした観察者は、2時間の味見はしたが提示者との接触の機会の無かった観察者に比べて、タンパク質に富む食物をより多く摂取した。一方、一日に5時間の味見ができた観察者は、タンパク質に富む食物を摂取した提示者との接触の機会のあるなしにかかわらず、タンパク質に富む食物を同程度摂取した。これにつづく分析では、提示者との接触の機会ではなく、観察者が食物を味見できる時間によって、このような接触が観察者の食物選択に影響を与えるかどうかが決まることがあきらかになった。動物は資源の試用の機会が時間的に制限されることへの反応として、公共情報を多く使うようになる、という仮説と、この結果は一致する。

(粟津)