Discounting of delayed rewards across the life span: age differences
in individual discounting functions.
(生涯に渡る時間的な価値の割引:個人の割引機能における年齢差)
Green, L., Myerson, J., and Ostaszewski, P.
Behavioural Processes, 1999, 46, 89-96.
この研究は生涯に渡る個人レベルでの行動をもとに、選択行動モデルの一般性と、発達によって生じうる時間的な価値低減の量的な変化を検討した。二つの先行研究に参加した子どもたち、成人、老人から得られたデータが分析された。すべての年齢層において、集団データにもとづいてGreenら(1994)で最初に提唱された双曲関数に似た関数が、個人における価値低減効果をもっともよく記述した。加齢による遅延時の価値低減率の低下と、低減関数の形状の系統的な変化という二つの発達的傾向が見られた。これらの傾向は、モデル中のそれぞれ異なるパラメータとして現れている。異なる年齢の個人の行動が、同じ数学的モデルによって記述されるという事実は、報酬の遅延による価値低減に見られる年齢・個体差は基本的に量的なものであり、根本的に同質の選択プロセスの多様性を反映していることを示唆している。