Reaction to spatial novelty and exploratory
strategies in baboons.
(ヒヒにおける空間的な新奇さへの反応と探索方略)
Gouteux. S., Vauclair. J., & Thinus-Blanc. C.
Animal Leaning & Behavior , 1999, 27, 323-332.
空間のコード化(純粋に幾何学的なものと/あるいは、物体の同一性を考慮したもの)を調べるために、4頭の若いヒヒを使って、探索行動について検討した。動物は、様々な物体の配置が変わったときの探索行動(接触時間と訪問順序)を、一頭ずつ野外の実験場でテストされた。空間的な変化として、@配置の形状の変化(1つの物体を移動させる)、A最初の形状の変化なしに空間的な配置の変化(2つの物体の1つを入れ替える)の2種類の変化がなされた。第2の実験では、4つの同一の物体から成る全体的な幾何学的配置が変化することの、影響を調べた。最後に第3の実験では、物体の配置は変化させずに、1つの物体を新しい物体と取り替えた。ヒヒは、物体の配置の幾何学的な変化に強く反応した。反対に、最初の空間的な配置に影響しないような、局所的要素の変化には、それほど敏感ではなかった。自発的な探索活動の分析から、2タイプの探索方略(周回と前後)が明らかになった。これらのデータについて、@幾何学的空間特徴のコード化と局所的な空間特徴のコード化との区別、並びにA探索活動の空間的機能、との関係について考察している。