No.102-1(2000/1/27)

Children's comprehension of deceptive points.
(子どもによる虚偽の指さしの理解)

Couillard, N. L., and Woodward, A. L..
British Journal of Developmental Psychology, 1999, 17, 515-521.

この研究は、虚偽の指さしジェスチャーを理解する子どもの能力を調査した。30人の3−4.5才の子どもたちが、2つの入れ物のうちの一方にステッカーが隠されて いるというゲームに参加した。対戦者は、ステッカーの入っていない入れ物を指さす か、あるいはその上にマーカーをおいて、ステッカーの位置について誤った情報を与 えた。年齢に関わりなく、手がかりが指さしであるときはそれがマーカーであるとき よりも子どもの成績は悪かった。彼らはマーカーのない方の入れ物を探すことを学ん で、誤ったマーカーを利用できた。しかし、誤った指さしを利用することは出来なか った。これらの結果は指さし生成の研究(Carlson, Mose & Hix, 1988)でも起きており、誤った指さしは子どもの能力を測る指標としては問題がある かもしれないということを示している。子どもは非常に早期に指さしジェスチャーの コミュニケーション上の価値を学ぶ。この知識は子どもが指さしを新奇な意味合いで 解釈するのを困難にするほどしみこんでしまっているのかもしれない。

(佐藤)