No.107-1(2000/3/9)

Pattern recognition and active vision in chickens.
(ニワトリのパターン認識と動作的視覚)

Dawkins, M. S., & Woodington, A.
Nature, 2000, 403, 652-655.

物体を認識したり環境内の陸標を認識したりすることは悩ましい作業である。なぜならば照明条件や観察距離や見る角度などによって、それらの見かけは大きく変化する からだ。ありとあらゆる「見え」に対して別々のイメージや「鋳型」を持とうとする と巨大な数を蓄えて、かつそれらをスキャンしなければならないし、認識ミスが多く なる。霊長類はこのような解決策をとってはいない。しかしながら、無脊椎動物の鋳 型照合システムの中には、例えば決まった経路を何度もたどるなど、自分自身の行動 を用いて鋳型と物体の適合度を決めるやり方「動作的視覚」によって認識を実現する ものがある。認識できる範囲は決まった経路からの見えに限定されてしまうが、鋳型 は最小限で済む。本論文では同じような動作的視覚が鳥類にもあることを示す初めて の証拠を提示する。これは、移動と特有の頭部の動きから、場面場面で一連のよく似 た見えを目に入力することで実現されてる。経路が変えられると、メンドリの物体認 識能力は低下することがわかった。

(藤田)