Taste quality and extinction of a
conditioned taste aversion in rats.
(ラットにおいて、味と条件性味覚嫌悪の消去)
Bevins,R.A., Jensen,H.C., Hinze, T. S., and Besheer, J.
Animal Learning & Behavior, 1999, 27, 358-366.
ラットにおいて、味と条件性味覚嫌悪の消去ラットは、塩化リチウム(LiCl)の注入と対になった味覚的手がかり(サッカリン、生理食塩水、キニーネ、サクロース)を受けると、LiClを注入されずにその味を経験した群(コントロール)よりも、その味の消費量が少なくなる。無強化の提示(消去)によって、その味の消費量は増えていく。LiClとともに0.1%サッカリンを受けたラットは、消去が漸近線に達した後でも、コントロールよりも少量しか消費しない。10%サクロースにおいても、同様の結果が見られた。これらの結果は、消去の後でもなんらかの興奮性のCS-US連合が残っているという見方と一致する。しかし一方で、LiClと対にして、苦味(0.005%、0.001%キニーネ)か、塩味(1%、0.5%生理食塩水)を受けたラットは、消去が漸近線に達したあとでは、コントロールと似たような量の溶液を飲んだ。つまり、これらの実験から、消去後に慢性的に溶液の消費量が減少するには、甘味あるいは好まれる味が必要であることがわかる。このデータから、条件付けの経験は、溶液の消費を抑制するような嫌悪を残すのではなく、その後の甘味選好の発達を妨げることが示される。