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2019年9月

第82回日本心理学会 特別優秀発表賞受賞

高木佐保が第82回日本心理学会 特別優秀発表賞を受賞し、プレコンベンション学術交流会にて表彰されました。(9月10日)

2019年5月

Journal of Comparative Psychologyにオンライン掲載されました

Age categorization of conspecific and heterospecific faces in capuchin monkeys (Sapajus apella).

フサオマキザルは、おとな顔と赤ちゃん顔を概念的に分類できる

多くの種で乳児の顔には様々な共通する特徴、「幼児図式」が存在すると考えられています。もしそれらの特徴が実際に種を超えて広く共有されているならば、ヒト以外の霊長類も自種や他種の顔から年齢情報を知覚しているかもしれません。
私たちはフサオマキザルが視覚的に顔からおとなと乳児を分類するのかどうかを調べました。
実験1では4個体のフサオマキザルに象徴見本合わせの手続きを用いて自種のおとなと乳児の顔を弁別するよう訓練し、それが他種(イヌ、ヒト)の顔に般化するかを調べました。
実験1の年齢カテゴリーが自種に特異的なものだったのかどうかを知るために、実験2では別の2個体のオマキザルに他種(ヒト)のおとなと乳児の顔の弁別を訓練してから自種とイヌの顔をテストしました。
実験3では実験1の4個体にヒトの顔、実験2の2個体に自種の顔を訓練し、6個体に対してイヌの顔と他種(新世界ザル、旧世界ザル、類人猿、食肉目)の顔をテストしました。
フサオマキザルは自種か他種かにかかわらず、おとなと乳児の顔を弁別することを素早く学習しました。一方、すべての実験でおとな・乳児という年齢カテゴリーは訓練とは別の種に般化することはありませんでした。
本研究は自種、他種の顔から年齢情報を知覚する能力がフサオマキザルにもみられることを示したとともに、幼児図式のような種普遍的な乳児の形態的特徴、あるいはそれに対する知覚が少なくとも一部の種では共有されていない可能性を示唆しています。

Kawaguchi, Yuri, Kuroshima, Hika, Fujita, Kazuo
Journal of Comparative Psychology 
DOI: 10.1037/com0000185

 

2019年1月

公開シンポジウムを開催しました

2019年1月12日(土)13時30分~18時まで
京都大学文学部第3講義室において、「自己理解と他者理解 脊椎動物において心的表象は共有されているか」と題した公開シンポジウムがおこなわれました。
おもに、大阪市立大学理学部と京都大学文学部の学生、院生、研究員、教員を中心に、各方面から100名以上が出席し、魚類から鳥類、類人までの多様な分類群の動物種を対象とした研究発表と活発な討論が行われました。
研究発表の内容は、注視行動とそれに関連した情動や心拍などの生理的変化から、自己認知、社会的順位の認識、共感などの高次な機能までの多様な心的機能にわたるもので、主にヒトとの共通性をめぐって、活発な討論がおこなわれました。

2018年

爬虫類の研究を開始しました

これまでもっぱら哺乳類と鳥類の研究をおこなってきましたが、かれらの共通祖先である爬虫類類のこころのはたらきはどのようなものなのでしょうか。
爬虫類は、高度に進化した哺乳類と鳥類の心の働きの起源を探るうえで重要な研究対象です。
手始めに、大学院生らと共同で、フトアゴヒゲトカゲ、ヤモリ、イシガメの実験を試行し始めました。いずれ成果があがるものと希望的に考えています。並行して、魚類の実験も験も試行しはじめました。新しい研究対象で、まだまだ方法も定まらず。試行錯誤の毎日ですが、いずれ成果が上がるものと希望的に考えています。

2018年10月

『マンガでわかる ねこの心理学』 が出版されました

藤田和生&CAMP-NYANが監修した『マンガでわかる ねこの心理学』(池田書店)が出版されました。

2018年8月 

日本動物心理学会第78回大会において最優秀発表奨励賞受賞

幡地祐哉 が日本動物心理学会第78回大会において「Pigeons do not see 2D visual motion from barber-pole and plaid stimuli.」(Yuya, Hataji, Hika, Kuroshima, & Kazuo Fujita )で最優秀発表奨励賞を受賞しました。(8月30日)

2018年3月

平成29年度 京都大学総長賞を受賞しました

髙木佐保が京都大学総長賞を受賞しました。
扱いづらさから敬遠されていたネコに対して新たな研究手法を開発し、多数の成果をあげ国内外から高い評価を得たことが評価されました。

2017年1月

BBCニュース等で論文の内容が紹介されました

Cats may be as intelligent as dogs, say scientists

私たち人間は、昨日の夕食の内容など、積極的におぼえようとしなかったことを記憶しており、尋ねられた時に、遡って思い出すことができます。私たちの研究では、ネコも偶発的に記憶したただ一度の出来事を後ほど思い出して利用できるということが明らかになりました。ネコがヒトによく似たエピソード記憶システムを持つ可能性を示すものです。
Takagi, S., Tsuzuki, M., Chijiiwa, H., Arahori, M., Watanabe, A., Saito, A., & Fujita, K. (2017). Use of incidentally encoded memory from a single experience in cats. Behavioural Processes, in press.

2016年11月

博士課程2回生(学振DC1)幡地祐哉 が日本動物心理学会第76回大会(北海道大学)において「Effects of pictorial and motion-parallax depth cues on size constancy in pigeons.」(Hataji, Y. & Fujita, K.)で優秀発表賞を受賞しました。(11月25日)

2016年6月21日

YAHOO!NEWS 他で論文の内容が紹介されました

「ネコは物理法則を知っている!」

Takagi, S., Arahori, M., Chijiiwa, H., Tsuzuki, M., Hataji, Y., & Fujita, K.(2016). There's no ball without noise: cats' prediction of an object from noise. /Animal Cognition/, in press. (DOI 10.1007/s10071-016-1001-6)