Use of number by crows: Investigation
by matching and oddity learning.
(カラスにおける数の使用:見本/非見本合わせ学習を用いて)
Smirnova, A. A., Lazareva, O. F., & Zorina, Z. A.
Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 2000, 73, 163-176.
ハイイロガラスが2選択の同時見本/非見本合わせ課題で、3種類の異なるカテゴリー内の2刺激の弁別学習を訓練された。3種類のカテゴリーは色(白/黒)、形(アラビア数字の1/2)、そして要素の個数(1/2個のアイテムの配列)であり、訓練に継時的に、かつ繰り返して使用された。1つのカテゴリーで連続した30試行以上の成績が80%以上という学習基準を満たすと、次のカテゴリーの訓練に移り、各カテゴリーの訓練開始から30試行後50試行以内に学習基準に到達するようになるまで訓練が続けられた。その後の部分転移テストでは、従来の刺激(数字の1と2、配列の1と2)が新奇な刺激(数字の3と4、配列の3と4)と対になって提示された。もうひとつの転移テストでは、完全に新奇な刺激だけが提示された(数字と配列の5から8のそれぞれ)。これらの般化テストにおいて、6羽の被験体のうち4羽がチャンスレベル以上の成績を示した。また、配列カテゴリーの成績は他の2つのカテゴリー(色、形)の成績と同様であった。したがって、被験体は配列中のアイテムの個数を理解し、個数という属性にしたがって刺激を比較することができた、といえる。つまり、カラスは「数」というカテゴリーに対し「一致(あるいは不一致)」という概念を適用することができたのだ。