Representations of motion and direction.
(動きと方向の表象)
Price, C. M. & Gilden, D. L.
Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 2000, 26, 18-30.
動きの方向に対する偶発記憶を調べるために、再認課題をもちいた6実験をおこなった。以前に呈示された方向を再認する能力は動きの種類に大きく依存した。水平運動方向や膨張−収縮運動方向に対する記憶は大変よかったが、回転運動方向に対する記憶はあいまいなものであった。同様の結果が、動きが静止画で描写された条件においても得られた。これらの結果から、長期記憶における方向の顕在的表象は、動きそのものというよりも動きの結果や物体の配置に関係することが示唆される。円軌跡を描くような動きに対する記憶はすべて、時計回り方向を熟知なものと捉える包括的なバイアスによって低下した。このような場合、記憶の評価は、方向の顕在的再認から、時計回り方向に対する熟知バイアスを解き放す必要があった。