The role of convexity in perceptual
completion: beyond good continuation
(知覚的補間における凸型の役割:よい連続の要因を越えて)
Liu, Z., Jacobs, D. W., & Basri, R.
Vision Research, 2000, 39, 4244-4257
ゲシュタルト心理学者の研究の多大な影響によって、どんな要因によって視覚対象が知覚的に体制化されるかということに重大な関心が寄せられてきた。ゲシュタルト心理学者が類似性、近接、よい連続といった群化の要因の重要性を示した一方で、(様々な群化の要因の重要性を調べる効果的な方法が無いこともあって、)これらの要因だけで十分であるかどうかについては、あまりわかっていない。我々は、隠蔽図形によって分離された平面領域の知覚的群化を調べる新しい、客観的な方法を呈示する。そのような2つの領域間の群化がすすめばすすむほど、立体鏡による立体視の場面におけるそれらの相対的な奥行き差を知覚することがより困難になることを示す。この新しい方法を使い、知覚的補間において凸型が大きな役割を果たすことを示し、ゲシュタルト要因に基づく多くの既存の知覚的補間に関する理論(Ullman, 1976;Shashua & Ullman, 1988; Parent & Zucker, 1989; Kellman & Shipley, 1991;Heitger & von der Heydt, 1993; Mumford, 1994; Williams & Jacobs, 1997)を再検討する。いくつかの状況では、凸型の要因が、よく知られているよい連続というゲシュタルト要因の効果にまさる。凸型の要因が図-地の分離の要因となる(Rubin,1927; Kanizsa & Gerbino, 1976)ことは知られているが、これは、その知覚的補間における重要性を初めて示すものである。