No.119-1(2000/6/8)



The role of movement in the recognition of famous faces.
(有名人の顔の認識における動きの役割)

Lander, K., Christie, F., & Bruce, V.
Memory & Cognition, 2000, 27, 974-985

有名人の顔を認識する時に動きが及ぼす影響をさまざまな呈示条件で調べた。顔はネガ、倒立、thresholdedの条件で呈示された。その結果、これらのすべての条件において、動いている顔は静止した顔より認識の成績が良かった。こうした効果は、連続した動きには単一の静止した画像よりも見え方や表情などに関する多くの静的な情報を含んでいるためであるという可能性もあった。しかしながら、静的な情報量を等しくしても(実験3、4)、元の動的な特質を含んだ一連の動きについての有益性は保たれた。この結果は、動きが、すでに獲得された有名人の顔の表象にアクセスするのを助けるような、付加的な情報を与えていることを示唆している。こうした発見が理論的、また実際的に意味するものを考察する。

(桑畑)