Infant's ability to distinguish
between purposeful and nonpurposeful behaviors
(意図をもった行動ともっていない行動とを弁別する幼児の能力について)
Woodward, A. L.
Infant Behavior & Development, 1999, 22, 145-160.
先行研究(Gergely et al., 1995; Woodward, 1998)により、乳児が細部にこだわらず、動作の目的に注目できることが明らかになった。この研究では乳児が目的指向的に見える行動をそうでないものと区別できるかどうかがテストされた。ある条件で、乳児は演者がステージの両端にある2つのおもちゃのうちの1つをつかむのを見せられた。また、別の条件では乳児は演者が意図しない様子でおもちゃのどちらかに手をつくのを見せられた。乳児はこれらのイベントに馴化したあとで、動作の軌跡か触れるおもちゃかのどちらかが変えられたテストイベントを見せられた。9ヶ月児はこれら2つの動作を区別した。演者がおもちゃをつかむのを見た場合、動作の軌跡を変えた試行より、触る目標物体が変わる試行の方で、 より長く注視した。演者が手をつくのを見た場合には、2つのテストイベントを同じくらい長く見た。これらの結果は、つかむ動作の方に乳児がより注意を引かれたから という理由では説明できない。2つ目の実験では、5ヶ月児が9ヶ月児で見られたの と似たパターンを示した。これらの結果は、意図概念発達の理論に暗示するところが ある。乳児は生得的に生物の動きをすべて意図的なものだと解釈するのだという主張 に反しているのだ。