Cooperation through image scoring
in humans.
(ヒトにおけるイメージスコアリングに基づく協力的行動)
Wedekind, C. & Milinski, M.
Science, 2000, 288, 850-852.
公共の資源を自己の利益のために利用するという,いわゆる「庶民の悲劇」が日常の社会的葛藤の多くの原因となっている.しかしながら,最近ゲーム理論家にが示すように,(集団の個人に対する見方を反映する)イメージスコアリングに基づく間接的な互恵行動を仮定しない進化論的理論が予測するよりも,多くの場合にヒトは他人に対してより協力的である.われわれはこの考え方を混交要因を統制した条件下で検証した.その結果,与える行動の頻度は,以前の交渉において気前のよかった者が受け手となるときにより高かった.このことは直接的な互恵行動が起こり得ない状況では,イメージスコアリングが協力的行動を促進していることを示すものである.