Bubble ring play of bottlenose dolphins
(Tursiops truncatus) : implications for cognition.
(バンドウイルカ(Tursiops truncatus)のあぶく環遊び:その認知的意味)
McCowan, B., Marino, L., Vance, E., Walke, L., & Reiss, D.
Journal of Comparative Psychology, 2000, 114, 98-106.
イルカ(dolphin)やそのほかのクジラ目の動物(クジラとイルカ(porpoise))の認知能力に関する研究は、比較認知研究、特に霊長類のような大きな脳を持った社会性の哺乳類との比較に重要な意義を持っている。クジラ目動物が霊長類に比肩する領域の1つに、物体の操作や物理的因果関係の認識があり、これらについては霊長類で数多くの研究がなされている。我々は、定性的な観察に統計学的手法を援用して、水中でおこなわれる遊びであるあぶく環作りとあぶく環いじりを、4頭のオスの飼育下のバンドウイルカ(Tursiops truncatus)を対象に調べた。結果は、イルカがあぶく環の質を監視しており、あぶく環遊びの最中にあぶく環の動きを予期しているという仮説を支持するものであった。