No.122-1(2000/7/6)

Recognition of heterospecific alarm vocalizations by bonnet macaques(Macaca radiata)
(ボンネットマカク(Macaca radiata)における他種の警戒音声の認識)

Ramakrishnan, U., Coss, R. G.
Journal of Comparative Psychology, 2000, 114, 3-12.

他種の警戒音声を認識することは、被食対象となる動物種にとって対捕食者行動において必要な要素の1つである。この研究では、南インドの野生のボンネットマカク(Macaca radiata)が他種の音声を認識する際に、学習がどのような役割を果たしているか、検討した。自種の警戒音声と、ニルギリラングール(Trachypithecusjohnii)、ハヌマンラングール(Semnopithecus entellus)、そしてサンバー(Cervusunicolor)の警戒音声の再生音に対する、逃避行動と注視行動を較べた。実験の実施場所は市街地を含む3カ所で、ボンネットマカクが他種とふれあう頻度は異なっていた。その結果、音声の認識は、成体で強く見られ、また音声を出した種と遭遇する地域で強く見られた。一方、市街地に住む個体では見られなかった。したがって、ボンネットマカクにおいては、加齢と他種の音声を聞くことが、他種の音声認識において重要な要素となっている。

(石川)