by Vannucci,M., & Viggiano,M.P.
Perception, 2000, 29,287-302.
３つの意味カテゴリーに属する刺激を同定する際に、平面での回転がどのような影響を及ぼすかを調べた。最初の２実験では、３つのカテゴリー（動物、無生物、野菜）に属する線画を４つの角度（時計回りに0°,60°,120°,180°）で呈示した。反応時間は刺激のカテゴリに影響を受けた。特に、動物では回転の効果が見られたが、野菜には効果が無く、無生物については部分的な効果が見られた。無生物に対する結果が曖昧であったので、実験３では無生物カテゴリーの部分集合をなす刺激の同定における回転の効果をさらに調べた。その結果、視点の観察頻度によって回転効果が異なるという仮説が支持された。実験４では、物理的に変質させた線画を異なった角度で呈示した。回転刺激の同定に必要となる最小限の視覚的情報量は、刺激カテゴリーの機能によって変化することも確かめられた。結果は、視点依存／独立性とカテゴリー情報処理に含まれる神経システムに関する最近の研究と合わせて考察する。