No.144-1(2001/1/18)

Estimating and operating on discrete quantities in orangutans(Pongo pygmaeus).
(オランウータン(Pongo pygmaeus)における分離した量の評価と操作)

by Call, J.
Journal of Comparative Psychology, 2000, 114, 2, 136-147

本研究では、3個体のオランウータン(Pongo pygmaeus;オトナ2個体、サブアダルト1個体)における、2つの分離した少ない量(1-6個のシリアル)の評価、比較、操作に関する能力を調べた。実験1では、2つの量が同時にではなく継時的に呈示され、選択時に知覚できない時に、オランウータンが量の多い方を選択できるかを調べた。実験2では、元の量が増加、もしくは減少された後に、量が多い方を選択することができるかを調べた。実験1ではオランウータンは2つの量の多い方を選択することができた。実験2で得られた証拠から、あまり明瞭ではないが、2つのうちの量の多い方を獲得するために、オランウータンが心的に量を合算できる(しかし、分離はできない)かもしれないということがわかった。本研究から、オランウータンが2セットのアイテムのうちの多い方を選択するために、(特に量を比較するときに)表象的メカニズムを使用していることが示唆された。

(桑畑)