A shift in children's
use of perceptual and causal cues to categorization.
(子どものカテゴリ化における知覚的な手がかり使用から因果的な手がかり使用へのシフト)
by Nazzi, T. & Gopnik, A.
Developmental Science, 2000, 3:4, 389-396.
今回の研究では、因果的な特性(マシンのライトを付けて、音楽を流す)を用いて対象のカテゴリを構築し、またそれらに名前を付けるという3.5歳、4.5歳児の能力を調査した。初めに、矛盾したカテゴリ化を導くような単純で視覚的な情報(色や形)がある状態・ない状態においてその使用が評価される。次に、実験者がマシン上のオブジェクトの動作をどのように描写するかを変えることで言葉の役割が評価される。結果は以下のことを示している。知覚的なカテゴリ化が矛盾していない場合には、両年齢群共に対象のカテゴリ化に因果的な情報を用いているが、矛盾している場合には、年少児に比べ年長児のほうが知覚的なカテゴリ化よりも因果的なカテゴリ化を行いがちである。また言葉が及ぼす影響は、因果的なカテゴリ化を促すような明白で因果的なイベントの描写によって、年長児で認められた。最後に、記憶に関する調査によって、因果的な情報が知覚的な情報と矛盾するような場合には、年少児がそれを誤って記憶しがちであることが示された。これらの結果は、知覚・言語・因果的な情報が年長児にとってはそれぞれ独立したものであるのに対して、幼い子どもにとってはこれらの手がかりが全て相互に関わったものであることを示している。
(村井)