No.150-1(2001/3/1)

True imitation in marmosets.
(マーモセットにおける真の模倣)

by Voelkl,B., & Huber,L.
Animal Behaviour, 2000, 60, 195-202

マーモセット(Callithrix jacchus)が、demonstratorがミールワームを獲得するためにプラスチックの円筒ケースからふたを取り除いているところを観察した。その後、円筒ケースへの接触が可能になったときに、手でふたを取り除いているdemonstratorを観察したマーモセットは手のみを使用した。それに対し、口を使っているdemonstratorを見たマーモセットは、口でふたを取り除いた。手/口を使ったdemonstratorは円筒ケース内に同一の変化をもたらしているので、テストで観察群によって異なった行動が見られたということは、マーモセットがdemonstratorの行動を学習したことを示唆している。さらに、テストの前にdemonstratorを観察する機会を与えられなかったマーモセットは、ケースが以前に口開けdemonstratorによって開けられていた場合でも、口で開ける確率は低かった(におい統制実験)。今回の実験結果から、Bugnyar & Huber (1997, Animal Behaviour,54,817-831)の発見を強め、マーモセットが模倣できるという更なる証拠が得られた。

(桑畑)