Determinant of value transfer and contrast in simultaneous discrimination by pigeons.
(ハトによる同時弁別での価値転移と対比の決定要因)
Clement, T. S. & Zentall, T. R.
Animal Learning & Behavior, 2000, 28(2), 195-200.
正刺激(S+)と負刺激(S−)を含む同時弁別課題において、正の価値はS+からS−へ転移するとされている。しかし、負の価値はS−からS+へは転移しないとされている。そのかわり、S−への反応に対する随伴性を十分に経験した場合、S−を示すことはS+の価値を高めるようである(すなわち対比効果が見られる)。本実験の目的は、同時弁別におけるS+とS−の影響をさらに調査することにあった(Experiment1被験体間要因、Experiment2被験体内要因)。両実験において、通常 の訓練条件では、S−に対しての直接の反応経験がほとんどに無い場合、S+からS−への価値転移が起こる。しかし、S−への反応経験が十分であれば、S+とS−間での対比が示される。こうして、同時弁別において、S+からS−への価値転移は、動物のS−への反応が比較的に少ないということに依存する。
(高橋)