A comparison of four corvid species in a working and reference memory task using a radial maze.
(放射状迷路をもちいた作動記憶および参照記憶課題における、カラス科の4種間比較)
Gould-Beierle, K. L.
Journal of Comparative Psychology, 2000,114(4), 347-356.
オープンルームの放射状迷路をもちいて、試行ごとに変化する空間位置(作動記憶)と固定された空間位置(参照記憶)に対するカラス科のトリの学習能力を調べた。ハイイロホシガラス(Nucifraga columbiana)、マツカケス(Gymnorhinus cyanocephalus)、(ニシ)アメリカカケス(Aphelocoma coerulescens)は貯食性であるが、ニシコクマルガラス(Corvus monedula)は非貯食性である。マツカケスとアメリカカケスは、ハイイロホシガラスやニシコクマルガラスよりも作動記憶課題、参照記憶課題ともに成績がよかった。マツカケスとニシコクマルガラスの成績は、彼らの自然ヒストリーやこ れまでの先行研究と一致する結果となったが、アメリカカケスとハイイロホシガラスの成績は一致しない結果となった。今回の結果は、4種の系統発生的関係に一致するが、反応戦略の違い、あるいはふたつの記憶処理過程(作動記憶/参照記憶)の干渉によっても説明できるかもしれない。
(冬木)