Learning from other people's mistakes: Causal understanding in learning to use a tool.
(他者の失敗から学ぶこと:道具使用の学習における因果的理解)
Want, S. C., & Harris., P. L.
Child Development, 2001, 72, 431-443.
ヒト以外の霊長類が模倣によって道具の使用を学ぶかどうかについてかなりの議論がされているにもかかわらず、幼児におけるこのタイプの研究は非常に少ない。このギャップをうめるために2つの実験を行った。2才児と3才児((N=68)は、道具使用の課題(自発的には解決できなかった)の正しい解決法を見せられたとき、すべての被験児は少なくとも部分的な解決法をとることができた。被験児が間違った解決法に続いて正しい解決法を見せられたとき、2才児は同じように部分的な解決法しかとれなかった。対照的に、多くの3才児は十分な解決法をとることができた。実験2では異なる装置を用い、被験児の人数を増やして(N=100)、この年齢の変化を追試した。実験2でもまた、3才児は正しい行動を引きたてるような間違った行動を観察することによって、利益を得た。つまり、彼らは2つの行動のうち、より効果的な方を選択していた。2つの実験は、3歳までには、道具に関して適当な模倣をしているのではなく、望ましい因果的な効果を持った行動を選択的に再生していることが示された。
(黒島)