Interspecific communication in mixed-species groups of tamarins: evidence from playback experiments.
(タマリンの異種混合群における異種間コミュニケーション:プレイバック実験からの証拠)
Windfelder, T. L.
Animal Behaviour, 2001, 61, 1193-1201.ロングコールの発声は、タマリンにおいて、種内と種間のコミュニケーションのシグナルとして役立っていると考えられてきた。しかしながら、ロングコールが種間のシグナルとして使用されている証拠は、種間で鳴き返しがみられるという観察によるものしかなかった。本研究では野生のセマダラタマリン(Saguinus fuscicollis)とエンペラータマリン(S. imperator)の群れに対してプレイバック実験をおこない、複数種からなる群れを形成しているタマリンにおいて、ロングコールが種間シグナルとして機能しているという仮説を確かめた。その結果、他の外的な手がかりがなくても、セマダラタマリンとエンペラータマリンの群れは、同種の群れの仲間と、彼らが共同関係にある異種タマリンのどちらのロングコールを再生しても反応をみせた。異種タマリンのロングコールを再生すると、ロングコールとスピーカーへの接近が誘発された。これらの発見は、ロングコールは共同関係にあるタマリン種間のシグナルとして役立っているという仮説と一致している。
(桑畑)