No.171-2(2001/8/9)

Social influences on parental and nonparental responses toward pups in virgin female prairie voles (Microtus ochrogaster).

(プレーリーハタネズミの未出産メスの、仔に対する親的・非親的な反応への社会的影響)

Lonstein, J. S., & DeVries, G. J.
Journal of Comparative Psychology, 2001, 115(1), 53-61.
つがいのプレーリーハタネズミは、仔ネズミの誕生後、両親として子育てをする。しかし、未婚オスの多くは親的な行動を示すのに対し、未婚メスの多くはそうではない。6実験を通し、メスの親的行動に影響を及ぼす要因が調べられた。その結果、(a)若年メスは老齢メスに比べより親的な行動を示した(b)離乳後のケージメイトの雌雄比率はのちの反応に影響を及ぼさなかった(c)自身の両親や年下の兄弟と共に飼育されたメスは多く親的行動を示した(d)早期に仔ネズミと48時間の接触をもつことでのちの親的反応の何らかの要素が増大した(e)年下の兄弟はなく両親とのみの同居飼育であっても親的行動は増大した(f)片親ではなく両親との同居が影響を与えている。つまり生まれた巣で継続的に両親と飼育されることが、この親的行動を促進する。
(岩田)