Comprehension of signs by dolphins (Tursiops truncatus).
(イルカによるサインの理解)
Tschudin, A., Call, J., Dunbar, R. I. M., Harris, G., & van der Elst, C.
Journal of Comparative Psychology, 2001, 115(1), 100-105.筆者等は訓練なしで6個体の飼育下のイルカ(Tursiops truncatus)がヒトの3種類のコミュニケーションのサイン(指示、直接的な視線、模型)を理解することができるかを調べた。指示とは、腕を伸ばし、人差し指で対象物を指差す動作。直接的な視線とは、身体の向きはまっすぐで、頭と視線を対象物に向ける動作。模型とは、訓練者が対象物と同じものを掲げる動作であった。それぞれの条件の最初の12試行において、3個体は指示条件でチャンスレベル以上、2個体は視線条件でチャンスレベル以上であったが、模型条件ではどの個体もチャンスレベル以下の成績であった。追加試行において、指示条件では4個体、視線条件では6個体、模型条件では2個体がチャンスレベル以上の成績であった。模型条件は彼らにとって最も難しい課題であったようだ(2個体しかチャンスレベル以上の成績を示していない)。同時に、これらの結果は、イルカが訓練されていないコミュニケーションのサインをうまく解釈する能力があることを示唆している。(黒島)