No.183-1(2001/11/29)

Spontaneous pointing by bottlenose dolphins (Tursiops truncatus).

( ハンドウイルカ(Tursiops truncatus)による自発的なポインティング)

Xitco Jr., M. J., Gory, J. D.,& Kuczaj II, S. A.
Animal Cognition, 2001, 4, 115-123.

象徴的コミュニケーションプロジェクトに参加している2頭のハンドウイルカ(Tursiops truncatus)が、ポインティングや交互の注視に似た行動を自発的に発達させた。イルカの行動には参照的なコミュニケーション行動を示唆するような、いくつかの特徴があることが明らかとなった。その行動は、シグナルの送り手と受け手、そして参照対象という3つの要素で構成されている。また、指示的であり、注意の焦点を特定している。イルカのポインティングは、モノに対して注意を向けている時や、モノに対して働きかけている時の行動とは異なっていた。シグナルの受け手となりうるヒトの存在や、受け手とイルカとの距離が、イルカの自発的なポインティングに影響を与えていた。こうした発見は、イルカに参照的なジェスチャーを産出する能力があることを示唆している。
(桑畑)