No.183-2(2001/11/29)

Imitative learning by captive western lowland gorillas (Gorilla gorilla gorilla) in a simulated food-processing task.

(ニシローランドゴリラにおける模倣学習)

Stoinski, T. S., Wrate, J. L., Ure, N.,& Whiten, A.
Journal of Comparative Psychology, 2001, 115(3), 272-281.

霊長類における採餌技法の文化的伝達の証拠は、現地調査では示唆されているものの、その伝達のメカニズムはいまだ曖昧である。今までの研究における模倣の証拠を実験的に検証するため、ゴリラ(Gorilla gorilla gorilla)がA.Whiten and D.M.Custance(1996)によってデザインされた人工的果物採餌課題にさらされた。ゴリラ(n=6)は、ヒトのモデルが果物の周りに配された一連の3つの障害物を取り除くところを目撃した。各障害物は、それぞれ2つの選択可能な方法のうちの1つを用いて取り除かれた。ゴリラの行動のビデオ分析の結果、個々の障害物の1つにおける観察された方法と、他の障害物における除去の方向の模倣において、有意な傾向が見られた。これは、ゴリラの模倣における、統計的に信頼できる初の証拠である。障害物除去のシークエンスは再現されなかった。ゴリラの反応は、チンパンジーのそれとよく類似していた。

(岩田)