Inferring the goals of a nonhuman agent.
(ヒトではないエージェントにおける目標の推論 )
Johnson, S. C., Booth, A.,& O'Heran, K.
Cognitive Development, 16, (2001) 637-656.Johnson, SlaughterおよびCarey(1998)は、乳児の新奇な物体の視線を追従する能力を使って、乳児のメンタリスティック・エージェントの認識はヒトと同じようなものを認識するということではなく、顔の存在や他のエージェントと随伴的にインタラクションするなどの手がかりとして任意の物体の認識であることを主張している。本研究では、乳児の模倣とコミュニカティブなジェスチャーの産出基にしたデータで、このような発見をさらに拡張した。最初の実験では、新奇な、ヒトではないエージェントを用いて、Meltzoffの「目標の再設定パラダイム」を追試した。15ヶ月児は、顔があり実験者や乳児と随伴的にインターラクトする新奇なオブジェクトの完遂された、もしくは完遂されなかった(見えなかった)目的の両方を再設定する(模倣する)ことがわかった。それとともに、乳児はそのオブジェクトに対して多くのコミュニカティブなジェスチャーを示した。2つめの実験では、オブジェクト向けられたコミニュカティブなジェスチャーが、実際は実験者自身の行動を模倣したものであるという可能性が排除された。新奇な、ヒトではないエージェントが、視線追従や目標再設定、そしてコミュニカティブなジェスチャーといったいろいろな行動を引き出すという示唆はこのような行動が、少なくとも本研究で対象とされた年齢(15ヶ月)までは、メンタリスティックな存在という中心的な概念的なものに介在されたものであり、そのような概念は、ヒト概念と同形ではないという主張を支持するものである。(板倉)