No.203-2(2002/5/9)

Tool selectivity in a non-primate, the New Caledonian crow (Corvus moneduloides).

(霊長類以外(ニューカレドニアガラス(Corvus moneduloides))における道具選択)

Chappell, J., & Kacelnik, A.
Animal Cognition, 2002, 5 (2), 71-78.

我々は、ニューカレドニアガラスが試行錯誤学習なしで、新奇な課題において適切なサイズの道具を選択することができることを実験的に示した。この種は、多様な様式をもつ道具の使用や作成の頻度において、多くの動物種(いくらかの霊長類種と同じように)の中で独特である。しかしながら今まで、彼らの道具使用の柔軟性はテストされてこなかった。課題のために適切な道具を選択するための能力を含む柔軟性は、道具使用の複雑な認知的適応の証明となりうると考えられている。実験1では、我々は2個体の飼育個体(1個体はオス、もう1個体はメス)の能力を、水平の透明なパイプの中に置かれた餌までの距離に適合するスティックを選択する(用意された長さの範囲から)課題によってテストした。両被験体ともにチャンスレベルより有意にターゲット距離に適合する道具を選択した。実験2では、我々は類似の課題を使ったが、餌パイプからはなれたところに道具を置いたので、被験体は道具を選ぶ前に、餌までの距離を記憶しておかなければならない。この課題はオスによってだけ達成された。その個体はチャンスレベルよりも有意に多く十分に長い道具を選択したが、長さを適当させる傾向はみせなかった。

(黒島)