No.204-1(2002/5/16)

The representations underlying infants' choice of more: Object files versus analog magnitudes.

(乳児が多いほうを選択する基礎を成す表象:対象物ファイルか図形式の大きさか)

Feigenson, L., Carey, V., & Hause, M.
Psychological Science, 2002, 13, 150-156.

乳児における多いか少ないかに関する自発的な表象について検証するための新たな選択課題を用いた.10ヶ月児と12ヶ月児に対し,2つの容器にクラッカーが続けて入れる場面をみせ,いずれかの容器に接近させ,選択した容器のクラッカーを与えた.2つの容器に入れられたクラッカーが1枚vs.2枚,および2枚vs.3枚のときには,乳児は多いほうの容器を選択したが,3枚vs.4枚,2枚vs.4枚,および3枚vs.6枚のときには同様の選択は見られなかった.クラッカーを容器に入れてしまわず,見えるようにすると,3枚vs.6枚においても多いほうを選択できたことから,先の失敗が多いほうを取ろうとするための動機づけが低いためではないことが示された.また,コントロール課題の結果,クラッカーの呈示時間の違いや呈示の複雑さ(操作の回数)は乳児の選択に影響しないことが示された.また,クラッカーのサイズを操作してみると,表面積や体積が乳児の選択を決定させることが示された.乳児の反応のパターンは,彼らが,対象物ファイルの表象(対象物が個々に納まる箱のようなもの)によって選択していたという仮説を支持しており,その際,対象物とそのファイルの一致よりも総体積や表面積によるメンタルモデルが参照される.

(小杉)