Do 7-month-old infants process independent features or facial configurations?
(7ヶ月児は個々の顔部品と全体的顔配置のいずれの情報を処理しているのか)
Cohen, L.. B., & Cashon, C. H.
Infant & Child Development, 2001, 10, 83-92.本研究では、生後7ヶ月の乳児が顔を全体として処理しているのか、それとも個々の顔部品の集合として処理しているのかを調べた。22人の7ヶ月児が実験に参加した。乳児を2人の女性の顔に馴化させた後、既知の顔、部品を交換された顔(個々の構成部品は既知であるが、それらの組み合わせが新奇である)と新奇な顔についてテストした。もし乳児が個々の顔部品のみを処理しているのであれば、既知顔よりも交換顔の方が新奇に見えることはないだろう。しかし、もし乳児が部品間の関係(例、全体的配置)を処理していれば、交換顔は新奇な顔に見えるはずである。さらに、本研究は倒立呈示が顔の全体的処理を阻害するという、すでに確立された発見に基づいておこなっている。あるグループに対しては正立した顔のみを呈示し、もう一方のグループに対しては倒立した顔のみを呈示した。7ヶ月児までに乳児は成立した顔の全体を処理するが、倒立した顔は個々の顔部品に基づいて処理されるはずであるという仮説が立てられた。今回の研究結果は、この仮説を支持していた。正立条件においては、乳児は既知顔よりも合成(交換)顔の方を長く見ていたが、倒立条件においてはそうではなかった。この発見は生後7ヶ月の乳児が顔と非顔の両方に関して、全体的配置を処理する能力を持つという先行研究の報告と一致する。また、Cohen(1998)の提唱した情報処理アプローチとも一致する結果であった。
(桑畑)