No.213-1(2002/07/18)

Configural face processing develops more slowly than featural face processing.

(顔の全体的処理は部分的な処理よりも発達が遅い)

Mondloch, C. J., Le Grand, R., & Maurer, D.
Perception, 2002, 31, 553-566.

顔処理能力の熟達化は長い年月をかけて発達する。こうした発達の遅さがどのような顔処理能力の影響を受けているのかを明らかにするために、ある1つの顔を操作して部分的、全体的、あるいは輪郭の処理を比較できるような刺激セットを作成した。各セット内の刺激は、目と口の形(顔部品セット)、目と口の間の間隔(間隔セット)、あるいは外的な輪郭(輪郭セット)がそれぞれ異なっていた。大人と6、8、10歳の子供に対して、正立、あるいは倒立の顔のペアを呈示し、その2つの顔が同一か異なっているかを判断するように教示した。大人では顔部品、輪郭セットにおける倒立効果よりも間隔セットにおける倒立効果の方が大きく、間隔セットが全体的配列処理を促すことが確かめられた。間隔セットでは、全ての年齢群の子供が大人よりも多く間違えていた。それに対し、外的輪郭セットや顔部品セットでは、全ての年齢群の子供が大人とほぼ同じくらい正確に判断していた。輪郭セットでは、6歳児でも大人との有意な差はなく、顔部品セットでは10歳児になると大人との有意な差はなくなった。本実験の結果は、全体的処理における熟達化の発達が特に遅いことを示している。

(桑畑)