Foraging behavioural changes induced by conspecific and heterosubspecific odours in two strains of wild mice.
(野生マウス2種において、採食行動は同種・同種亜種個体の匂いによって変化する)
Jacquot, C. & Baudoin, C.
Behavioural Processes, 2002, 58(3), 115-123.Mus musculus domesticus、 Mus musculus musculusという2亜種の野生集団のマウスは、食物を争うことがあるだろう。マウスおける嗅覚の重要性から、新奇な同種・同種亜種他個体の化学的手がかりの存在は、食物資源へのアクセスやその使用において何らかの役割を果たしているだろうという仮説をたてた。私たちは、野生マウス由来の2種のオスを被験体とした実験デザインを用いてこの仮説を検証した。探索行動、食物アクセスのレーテンシー、食物エリアにおける時間や頻度、摂取したタネの数、採取率(摂取したタネの数/食物エリア上の時間×100)を、両種において、それぞれ3つの異なる匂いカテゴリー間で比較した(自身・同種他個体・亜種)。採食場面において、不慣れな匂いはオスのマウスの行動変化を引き起こした。特に、探索行動の増加(同種の匂いの場合の方が異種の場合より)、食物エリアで費やす時間の減少があった。ハツカネズミ属内での遺伝的近接さと関係した匂いの類似性と、遭遇の" コスト−利益"率の2つは、これらのマウス2種における匂いの扱いと関連した色々なプロセスへの可能な説明である。
(岩田)