No.217-2(2002/08/30)

Environmental correlates of vocal communication of wild pygmy marmosets, Cebuella pygmaea

(野生ピグミーマーモセットにおける、音声コミュニケーションの環境との相互作用について)

de la Torre, S., & Snowdon, D. T.
Animal Behaviour, 2002, 63, 847-856.

我々は、音声的なシグナル構造に与える影響を調べるために、エクアドルのアマゾンで、ピグミーマーモセットの2つの野生の群れから、音声的な特徴を調査した。我々は、マーモセットが出す2つの短期間のVocalizationと1つの長い期間のVocalizationの標本を再生し、録音することによって、周囲の雑音や、音の希薄化、反響効果の基準を得た。周囲の雑音の大きさは、生息地によって異なっていた。ピグミーマーモセットの鳴き声は、その生息場所の雑音が、比較的少ない周波数と一致していた。3つのVocalizationタイプは、すべての生息場所で、音源からの距離が増えるに従って、同じように減衰していった。2つの短期間のVocalizationは、テンポ的な構造をもっており、比較的テンポ的な構造が少ない長期間のVocalizationに比べて、音の反響により多く影響された。この減衰は、マーモセットが、Vocalizationを行った個体までの距離を測るために使う可能性があると考えられる。我々は、雨季、乾季両方において、それぞれの生息場所から3グループずつ、計6グループから、Vocalizationに関するデータを集めた。Trills、J calls、Longcallsの使用は、Vocalizaitonを行った個体と受け手の間の距離に関係しており、マーモセットは生息地の音響効果の影響に適合するように鳴き声を使っている事を示唆している。

(服部)