No.41-1(1998/09/09)

Pigeons' memory for event duration : Differences between visual and auditory signals.
(刺激提示時間に対するハトの記憶: 視覚刺激と聴覚刺激の違い)

Santi, A., Stanford, L., & Coyle, J. (Wilfrid Laurier University)
Animal Learning & Behavior, 1998, 26, 163-171.

実験1において、ハトは短時間(2秒)と長時間(8秒)の音刺激の弁別を、赤と緑の比較刺激に反応することによって訓練された。遅延テストにおいて、長時間に対する正しい比較刺激に規則的な反応のバイアスが見られた。音刺激なしのテストでは、長時間刺激提示試行において、反応が規則的に減少した。このことは、ハトが音に注意を向けているのであって、単にすべての試行間のタイミングを計っているのではないことを示唆している。次に、ハトは短時間(2秒)と長時間(8秒)の光刺激の弁別を、青と黄の比較刺激反応することによって訓練された。遅延テストにおいて、音刺激のあとでは長時間に対する間違った選択が見られ、光刺激の後では短時間に対する間違った選択が見られた。実験2では、同じ間隔あるいは異なる間隔で音刺激と光刺激を同時に提示するテスト試行を行った。ハトは、光刺激には正確に反応できたが、光刺激と同時に提示された音刺激には正確に反応できなかった。実験1のデータは、タイミングの最後の部分を制御するような刺激に関した光刺激と音刺激の間には、重要な違いがあることを示唆している。実験2のデータは、ハトは互いに独立していて、妨害になっていない視覚刺激と聴覚刺激を同時に計れないことを示唆している。したがって、これらの結果は音と光刺激の両方の間隔を計る1つの体内時計があるという説に矛盾している。

(黒島)