Infants' recognition of contour-deleted
figures.
（乳児における輪郭欠落図形の認識）
Rose, S. A., Jankowski, J. J., (Albert Einstein College of Medicine) & Senior, G. J. (University of Southern Queensland)
Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 1997, 23(4), 1206-1216.
馴化法を用いた４つの実験で、乳児の輪郭欠落図形の認識を調べた。結果から、12ヶ月齢の乳児は輪郭の33%、50%、さらになんと66%が欠落した線画を認識することができた。これは輪郭の欠落した図形が馴化刺激かテスト刺激かによらず生じる。輪郭欠落図形に馴化させたあとででは元図形が認識され、またほとんどの場合には、元図形に馴化させると輪郭欠落図形が認識された。この唯一の失敗は、２種の極端に貧しいテスト刺激の弁別が難しかったためであろうと思われる。最後の実験で、乳児は相補図形を認識することができたが、乱雑配置にした図形は認識できなかった。これは乳児が輪郭欠落図形の線欠落部分を埋め合わせて、図形的全体（figural whole）を作り上げたことを示唆している。
（藤田）