No.47-2(1998/11/04)

Is food recoginition in an unfamiliar environment a long-term effect of stimulus or local enhancement ? A study in the juvenile canary.
(知らない環境での食物の認識は、刺激強調の長期的効果なのか局所的強調の長期効果なのか? カナリア幼鳥を使った研究)

Cadieu, N., & Cadieu, J, C. (Universite Paul Sabatier)
Behavioural Processes, 1998, 43, 183-192.

麻の実の認識と摂取が社会的に伝達される過程を、カナリア幼鳥を用いて調べた。親の摂食行動を観察すること、親の存在、実を操作できるかどうかという要因が、その後の実の摂取に与える影響について6つの実験条件(各15個体)で調べた。以下の3つのことが示された。(1)社会的伝達には、局所的強調と社会的促進は必要ない (2)親の近くに実があるのをカナリア幼鳥が見れば、伝達は起こる。その実が操作できるかどうかは関係がない。(単なる存在の効果) (3)親の摂食行動を観察すれば情報の社会的伝達は十分に起こる。その成体と会った時(相互作用時)に、その実が利用できなくてもよい。 従って、カナリア幼鳥は刺激強調によって実を認識しているように見える。また、この認識は時間の変化、空間の変化に対しても維持される。成体とのさまざまな相互作用によって、若者は見知らぬ環境においても、食べられる物体がそれと判るようになる。

(粟津)